不動産鑑定

 土壌汚染地の鑑定評価手法についての関連情報をご報告します。
 土壌汚染地の鑑定評価を行う場合重要な事項は、土壌汚染がないものとした場合の土地の価格、浄化方法、費用、期間と心理的嫌悪感等による減価が挙げられます。
評価手法の主なものとして、土壌汚染がないものとしての価値を求めた後で、浄化費用、心理的嫌悪感等(スティグマ)を控除して土壌汚染地の価値を求めるものです。
 スティグマとは土壌汚染が存在するあるいは過去に存在したことに起因する心理的嫌悪感等による減価です。不動産鑑定評価基準の留意事項においても「汚染の除去等の措置が行われた後でも、心理的嫌悪感等による価格形成への影響を考慮しなければならない場合があることに留意する。」とあり、スティグマによる減価の存在を認めている。
 宅地造成工事費は、不動産鑑定評価にとって重要なものです。
 不動産の鑑定評価基準では再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達する場合において必要とされる適正な原価の総額をいいます。なお建設資材、工法の変遷により、対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合には、対象不動産と同等の有用性を持ち物に置き換えて求めた原価(置き換え原価)を再調達原価とみなすものとします。再調達原価は、建設請負により、請負者が発注者に対して直ちに使用可能な状態で引き渡す通常の場合を想定し発注者が請負者に対して支払う標準的な建設費に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算して求めるものとします。
 なお、置き換え原価は対象不動産と同等の有用性をもつ不動産を新たに調達することを想定した場合に必要とされる原価の総額であり、発注者が請負者に対して支払う標準的な建設費に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算して求める。
 土地の再調達原価は、その素材となる土地の標準的な取得原価に当該土地の標準的な取得原価に当該土地の標準的な造成費と発注者が直接負担すべき通常の付帯費用とを加算して求めるものとします。素材となる土地の標準的な取得原価は、対象不動産が造成完了後あまり期間が経過していない場合で、かつ、近隣地域の周辺地域等に類似の素地の事例等がある場合に求めることができます。
 高圧線下地の評価
 高圧線下地とは特別電圧の線下の土地です。電圧の種別としては電気設備に関する技術基準を定める省令において低圧(直流750V以下、交流600V以下)、高圧(直流750V、交流600V~7000V以下)、特別高圧(7000V超)の3種を規定しています。特に特別高圧の架線電線路の直下の土地は電気設備技術基準により電気事業者の義務をして安全上、保安上の条件として建造物に一定の離隔距離を保つべきことを義務付けています。
 高圧線下地についての価格形成要因
1 強風時における不快音
2 最有効利用を妨げる利用の制限
3 嫌悪施設としての心理的不快感
4 高圧線下地の面積を容積率、建ぺい率に算入できる
5 塩害時の放電に伴う継続音の発生とラジオ、テレビに与える影響
6 地代がもらえる
7 駐車場として利用可能
不動産鑑定士が鑑定評価において使用する主な手法です。不動産鑑定評価基準に基づく手法(原価法、取引事例比較法、収益還元法)
 原価法は、価格時点における対象不動産の再調達減価を求め、この再調達原価について減価修正を行って、対象不動産の試算格を求める手法である。この手法による試算価格を積算価格という。
 取引事例比較法は、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を考慮し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である。この手法による試算価格を比準価格という。
 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法である。この手法による試算価格を収益価格という。
 収益価格を求める方法には、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法(直接還元法)と、連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法(DCF法)がある。
兵庫県の市街化区域と市街化調整区域の鑑定評価
 兵庫県に限らずですが、市街化区域と市街化調整区域に区分する区域区分に関する都市計画を定めるか否かは、都道府県の選択となります。したがって、全ての都市計画区域で、市街化区域と市街化調整区域の線引きが行われているとは限りません。いわゆる非線引き区域と言われています。ただし、三大都市圏及び政令指定都市を含む都市計画区域については線引きが義務づけられています。
 市街化区域とは既に市街地を形成している区域及び概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
 住宅が集中している地域は道路や公園を整備しなければならず、無秩序な開発が行われないように市街化を維持していく必要があり、優先的に都市として環境を形成していく必要があるため「市街化区域」として線引きされます。
 市街化調整区域とは市街化を抑制すべき区域
 農業や林業といった産業の環境を維持して市街化を抑制する必要があるため「市街化調整区域」として線引きされます。